新渡戸稲造
Nitobe Inazou

 新渡戸稲造 1
 新渡戸稲造 2
作家名
新渡戸稲造 にとべ いなぞう
作品名
詩書
作品詳細
掛け軸 絖本水墨 緞子裂 合箱
  本紙寸法29.1 ×100
全体寸法(胴幅)44.4×198㎝
註釈

《咲かざれば桜を人の折らましやさくらの仇は桜なりけり》

「…何事もせねば非難も憎悪も免れるのである。僕の知人にして、今は故人となったが、生前大いに藩政に尽くした人があった。終に怨を買うて蟄居の間に死んだが、自分の経験を一冊の書に綴りて桜花物語と題して子孫に遺したが、その人は常に左の古歌を愛吟した。 『咲かざれば 桜を人の折らまじを 桜の仇は さくらなりけり』 実にこの歌の通り大小となく仕事をするものは必ず何人かに怨を受けるものである。所謂人から邪魔に思はれるものである。」 

          (新渡戸稲造著『自警』第八章・世に蔓こる者は憎まる)

 

上の文中「僕の知人」とは、稲造の父十次郎のこと。新渡戸十次郎は三本木原開拓を大規模な総合開拓に発展させ、近代的な都市計画により現在の十和田市街地の基礎を築いた。藩主南部利剛公の信任もあつく、若くして御用人などの要職をつとめましたが、それが災いして讒言され蟄居閉門のうちに失意のあまり病没した。(享年48歳)

(新渡戸記念館HPより)