あふむくも うつむくもさびし ゆりの花 獅子老人
碌々◯◯言
美濃派の正式俳諧での興行(立机式、芭蕉忌、支考忌など)で床飾りに用いられる。獅子門美濃派道統の正式俳諧では、支考自筆の三頫図が使われる。支考は約三十幅の三頫図を残したといわれ、各地域の美濃派の立机式(宗匠としての披露の式)などに贈られた。
頫とは「うつむく」という意味で、円窓内の三人物は、中央に老荘の徒、向かって右に儒生、左は佛者で、それぞれが支考の分身といわれ、老荘思想に似た支考の俳諧道(智、仁、勇の三徳)に儒と佛が伏し、支考の俳諧道を象徴する図といわれる。