高橋泥舟
Takahashi Deishu(deishuu)

高橋泥舟 1
高橋泥舟 2高橋泥舟 3高橋泥舟 4高橋泥舟 5高橋泥舟 6高橋泥舟 7高橋泥舟 8高橋泥舟 9高橋泥舟 10高橋泥舟 11
高橋泥舟 12高橋泥舟 13
高橋泥舟 14
作家名
高橋泥舟たかはし でいしゅう
作品名
五言律詩
作品詳細
六曲屏風 絹本金泥縁
屏風高 173cm
屏風全開幅 376cm
註釈

眼看過半百  眼れば半百を看過するに
早晩掃巌扉  早晩にして巌扉を掃はん
白首誰留往  白首誰か往くを留め
青山自不帰  青山自ら帰らず
百千萬却鄣  百千万も却って鄣たり
四十九年非  四十九年も非なり
會擬抽身去  会擬し身を抽め去るは
當風抖擻衣  当に風の衣を抖擻するがごとし

    泥舟逸人書

鄣=障
抖=斗

ふと振り返れば私も今や五十歳。もうすぐ巌の扉を掃い清めることになろう(隠棲することになろう)。年老いていくことを誰が止めることができよう、若い頃の自分には戻ることは出来ない。百千万歳生きるのも問題であるし、四十九歳ではまた早すぎる。古例に従い適当な時に死んでゆくことは、ちょうど風が衣を捲き上げるように自然なことだ。

巌扉 巌のとびら。巌穴の士の住む家の戸。 (巌穴の士 巌穴に隠れて世をしのぶ人。逸人、隠者。)

   掃 はらい清める
   白首 白髪の老人
   会擬 古の例を集め合わせる
   抖擻 挙げる

詩の内容とも一致するように、泥舟50歳前後の充実の筆。 屏風の仕立てもよく、堂々たる優品です。