高橋泥舟
Takahashi Deishu(deishuu)
- 作家名
- 高橋泥舟たかはし でいしゅう
- 作品名
- 五言律詩
- 作品詳細
- 六曲屏風 絹本金泥縁
屏風高 173cm
屏風全開幅 376cm - 註釈
-
眼看過半百 眼れば半百を看過するに
早晩掃巌扉 早晩にして巌扉を掃はん
白首誰留往 白首誰か往くを留め
青山自不帰 青山自ら帰らず
百千萬却鄣 百千万も却って鄣たり
四十九年非 四十九年も非なり
會擬抽身去 会擬し身を抽め去るは
當風抖擻衣 当に風の衣を抖擻するがごとし泥舟逸人書
鄣=障
抖=斗ふと振り返れば私も今や五十歳。もうすぐ巌の扉を掃い清めることになろう(隠棲することになろう)。年老いていくことを誰が止めることができよう、若い頃の自分には戻ることは出来ない。百千万歳生きるのも問題であるし、四十九歳ではまた早すぎる。古例に従い適当な時に死んでゆくことは、ちょうど風が衣を捲き上げるように自然なことだ。
巌扉 巌のとびら。巌穴の士の住む家の戸。 (巌穴の士 巌穴に隠れて世をしのぶ人。逸人、隠者。)
掃 はらい清める
白首 白髪の老人
会擬 古の例を集め合わせる
抖擻 挙げる詩の内容とも一致するように、泥舟50歳前後の充実の筆。 屏風の仕立てもよく、堂々たる優品です。