小川破笠
Ogawa Haritsu
- 作家名
- 小川破笠 おがわ はりつ
- 作品名
- 雪中偶作
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 大倉好斎極 時代箱
本紙寸法51×29.7
全体寸法(胴幅)57×109.5㎝ - 註釈
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【翻刻】
雪中偶作
不看平白鎖幽斎
焼尽炉頭一束柴
老倒苦寒雪無愛
愛風流罪野生涯
故里の山は目路にも
をよはねとおもひにい
つるゆき折のたけ
破笠子(印)【読み下し】
雪中偶作
平白(へいはく)を看(み)ず幽斎を鎖(とざ)す
焼き尽くす炉頭一束の柴(さい)
老は倒(さかしま)に寒(かん)に苦しみ 雪に愛無し
風を愛するも流罪たり 野生の涯【文意】
一面に積もった雪に目をやることもなく、独り書斎に閉じこもる。炉に薪をくべ、いつしか一束の薪を燃やし尽くす。老いては逆に寒さが厭われ、雪に愛など覚えない。風流を愛すとはいっても、流罪の身に等しい、この俺の生涯であった。故里の山は目路にも及ばねど思ひに出る雪折れの竹
破笠子(印)
(古里の山は視界には見えないが、頭に浮かぶのは雪で折れた竹の姿だ。)