久松真一 
Hisamatsu Shinichi

久松真一 1
久松真一 2
作家名
久松真一 ひさまつ しんいち
作品名
凡情脱落 聖意皆空
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂
久松真一記念館鑑定書 合箱
本紙寸法5.9×36.3cm
全体寸法34.3×149.7cm
註釈

《凡情脱落 聖意皆空 有仏処不用遨遊 無仏処急須走過 両頭不著 千眼難窺 百鳥含花 一場もら》 (凡情脱落し、聖意皆空ず、有仏の処、遨遊することを用いず、無仏の処、急に須らく走過すべし。両頭著らざれば、千眼窺い難し。百鳥花を含くも一場のもら)

迷いも悟りもない、仏の世界にも仏のいない世界にも留まらない、観音の千眼さえもとどかない、鳥が花をくわえてきて供養するなど顔が赤らむ。牛も人も忘れ去られ、迷いも悟りも通り越す、そこは絶対的な無であり、一切が空である。出自は、中国宋代の禅僧廓庵禅師(梁山師遠)の十牛図(禅の悟りにいたる道筋を牧牛に譬えた10枚の絵)の8図「人牛倶忘」に、その弟子慈遠 (廓庵自身とも廓庵の友人とも伝えられる)が添えた序。