勝海舟
Katsu Kaishu




- 作家名
- 勝海舟かつ かいしゅう
- 作品名
- 詩書
- 作品詳細
- 掛け軸 絹本水墨 緞子裂 合箱
本紙寸法44.2×144.2
全体寸法55.7(胴幅)×197㎝ - 註釈
-
【原文・読み下し】
紅塵飛不到 紅塵(こうじん)飛(と)ぶも 到(いた)らず
不在入山深 不(ふ)在(ざい)にして山(やま)に入(い)ること深(ふか)しと
即市廛裏 市(し)廛(てん)の裏(うち)に即(そく)するも
悠知太古心 悠(ゆう)として 太古(たいこ)の心(こころ)を知(し)れり
庚(こう)辰(しん)初冬 海舟散人(印)【現代語訳】
ざわざわとした街中の塵(騒がしさ)も、ここにはやってこない。訪ねた主人は不在で、今山深くおし入っているとのこと。喧噪な街中の邸宅ではあるが、屋敷の中はゆったりとして、まるで太古の昔を偲ばせる趣きがある。
※庚辰・・明治十三年(一八八○)が考えられる(注)
・紅塵(こうじん)・・繁華な地に舞い上がる塵、また俗塵。
・市廛(してん)・・町にある店や邸宅。また山沿いにある町並。明治13年(1880)の作品。