内藤湖南
Naito Konan(Naitou Konan)
+
- 作家名
- 内藤湖南 ないとう こなん
- 作品名
- 秋懐七絶
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 象牙軸 共箱 二重箱入
本紙寸法33×133.3cm
全体寸法51.4×209cm - 註釈
-
越禽胡馬思何限
牢落半生天一涯
風雨連宵秋満目
燈前空理舊題詩越禽胡馬、思ひ何ぞ限らん。
牢落半生、天一涯。
風雨連宵、秋は目に満つ。
燈前空理、旧題の詩。【意訳】
故郷を想う気持にどうして限りがあろう。
無益なこの半生は、思えば天の果てに一人でいるようだった。
連夜の風雨で周りは一面秋の色となり、
私は灯火の前で空理をひねり、一人古事についての詩を作っている。【越禽胡馬】
「胡馬北風に依り、越鳥南枝に巣くう」(「文選」古詩十九首)より。胡馬は北風の吹くたびに胡国を慕っていななく。越と言う南方の鳥は北の土地に連れていっても、南方の枝に巣をかける。故郷の忘れがたいことのたとえ。