内藤湖南
Naito Konan(Naitou Konan)
- 作家名
- 内藤湖南ないとう こなん
- 作品名
- 蘇玉局七絶
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 共箱
本紙寸法33.6×138.2
全体寸法46.8(胴幅)×203 ㎝ - 註釈
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出自は、北宋の詩人蘇軾の『澄邁驛の通潮閣』
蘇軾は晩年、政争に破れ一時海南島に左遷される。この詩は左遷を解かれ、本土に呼び戻される時、海南島の北部の澄邁駅にある通潮閣に登って詠んだもの。餘生欲老海南村 餘生 老いんと欲す 海南の村
帝遣巫陽招我魂 帝 巫陽(フヨウ)をして 我が魂を招か遣しむ
杳杳天低鶻沒處 杳杳(ヨウヨウ)として 天低(た)れて鶻(コツ)の沒する處
青山一髮是中原 青山一髮 是れ中原余生を海南の村で終えようと思っていたのに、 天帝が巫陽を遣わして、我が魂をお招きになった。遙かかかなた、大空が低く垂れて隼の影が没するあたり、青山が一筋の髪の毛にように見えるところ、そこが中原だ。
巫陽は、中国戦国時代後期の楚国の歌謡『楚辞』に登場する巫女の名前。天帝は巫陽に、屈原のさまよえる魂を連れ戻すように命じる話しより、蘇軾は自分の境遇を屈原と重ねた。