C-126 田中大秀
Tanaka Ohide

 田中大秀 1
 田中大秀 5
作家名
田中大秀 たなか おおひで
作品名
詠吉野山歌
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 紙裂 合箱
本紙寸法42.6 ×31
全体寸法53.8(胴巾)×115.2㎝
註釈

【原文】
詠吉野山歌
山はらも、さはにあれとも、名細
よしのの山もとことに、花はさけ
とも、花くはし、桜のはな、うへな
うへな、遠き神代に、とつ宮と
宮敷まして、春ことに、めてき
たりけむ、いにしへゆ、いまのうつゝも
人□のみのともうふる名くはし。
よし野の山 花くはしさくらのはな

田中大秀

【語釈】
さは―多く
名細―なぐわし。名高い。『万葉集』人麻呂の歌に出る。
くはし―細し。こまやかで美しい。うるわしい。
とつ宮―外つ宮。離宮。
宮敷―宮を置く。

【訳文】
吉野山を詠む歌
山々は、いろいろと多くあるが、その名も高き
吉野の山のふもとごとに、いろいろの花はさくのだが、
花の美しさといえば、桜の花であって、植えよう
植えよう、遠き神代には、離宮が置かれて、
春になるごとに、人々に愛でられてきた、
むかしから、いまの現前にいたるまで
人々に植えられてきた、名高い桜の花よ。
吉野の山 花の美しき、桜の花よ

田中大秀