中野龍田
山水詩書双幅
- 作家名
- 中野龍田なかの りゅうでん
- 作品名
- 山水詩書双幅
- 作品詳細
- 掛け軸 絖本水墨 緞子裂 象牙軸 識箱
本紙寸法 50.8x131
全体寸法(胴幅)61.5x182.5㎝ - 詳細
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(詩書)
【原文】
山含湿翠
遠近勢如奔
渉水涵沙嘴
叢煙起榭根
亭閑宜策杖
橋小欲通村
知是遊人去
禽声楽自存
題山水図
龍田【訓読】
雲山、湿を含む翠
遠近の勢は奔しるがごとし。
水を渉り、沙嘴に涵(ひた)す
叢煙は榭根に起こり、
亭は閑かにして杖を策(ひ)くに宜(よろ)し
橋は小なれども通村に通ぜんとす。
知る是れ遊人の去るを。
禽声の楽しみは自ら存す。
題山水図
龍田【訳文】
雲のわく山は、うるおいのある翠の色となり、
遠近の川の勢いは走るようである。
水を渡って、沙嘴に足をひたしてみた。
もやが樹木の間から立ち上り、
東屋は閑静で、杖を引いて散歩するのに最適である。
橋は小さいければ村に通じており、
遊客が立ち去ったのがわかる。
鳥たちのさえずりを聞く楽しみはそのままである。
題山水図
龍田(山水図賛文)
丙寅(1806)秋重陽日写于有竹居 中野煥