梁川星巌
Yanagawa Seigan

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梁川星巌 8
作家名
梁川星巌
やながわ せいがん
作品名
詩書 常磐雪行
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 頼潔箱 二重箱
本紙寸法31.3×132
全体寸法48.8×191.5cm
註釈

詩書 月下聞笛

雪灑笠檐風捲袂
雪は笠檐(りゅうえん)に灑(そそ)いで風袂(たもと)を捲く
呱呱覓乳情若為
呱呱乳(ここちち)を覓(もと)む若為(いかん)の情
他年鐵拐峰頭嶮
他年鐵拐峰頭(たねんてっかいほうとう)の嶮(けん)
叱咤三軍是此聲
叱咤する是れ此の聲

雪はしきりに笠の檐(のき)にふりそそぎ、風は袂を巻き上げる。
胸に抱ける牛若が呱呱と泣きて乳を求めるのは如何なる心であろう。
思えば後年、鐵拐山の険しい峰の頂で、大軍を叱咤するのは此の声なのだ。

※鐵拐山…六甲山地西端の山。北側に鵯越(ひよどりごえ)、南側に一ノ谷がある。

芳野懐古と並ぶ梁川星巌の名詩。

※頼潔
頼山陽の第二子頼支峰の第一子山陽の孫。漢学者。