梁川星巌
Yanagawa Seigan
- 作家名
- 梁川星巌
やながわ せいがん - 作品名
- 山水図
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 象牙軸 合箱
本紙寸法47.9×170.3cm
全体寸法68.5×220cm - 註釈
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【原文】
禽自催耕蟲促織 勇耕如残一年々
為人豈得辞人事 只在白雲深処眠
甲寅暑月星巖真逸併題于老鶴庵(七言絶句)
【訓読】
禽は自ら耕を催し、蟲は織を促す。勇耕、一年々を残すが如し。
人としてあに人事を辞するを得んや。ただ白雲深き処に眠る。
甲寅暑月、星巖真逸、併題于老鶴庵【訳文】
鳥ですらみずから耕作を行い、虫もまた機織りを促す。
勇んで耕やす様子は、命が一年しか残っていないかのようだ。
人間に生まれて、どうして人としての務めから逃れることができようか。
それでもわたしは、ただ白雲が湧き上がる深山幽谷でぐっすりと眠るのだ。
甲寅暑月、星巖真逸、老鶴庵にて併びに題す。【語釈】
禽―鳥類の総称。梁川星巌の詩書真筆は多数現存するが、山水図真筆は極めて少ない。
この作品は、安政元年(1854)、66歳、没する4年前に描かれたもの。生涯を旅に暮らした星巖ならではの感懐を讃に記し、星巌らしい豪放磊落な筆致で描いている。