各務支考
Kagami Shikou

 各務支考 1
 各務支考 2
作家名
各務支考 かがみ しこう
作品名
太田巴静宛書状
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 合箱
本紙寸法37.5 ×16.5
全体寸法(胴幅)47.9×108.3㎝
註釈

太田巴静
延宝6年(1678)~寛保4年(1744)

美濃国竹鼻(現在の岐阜県羽島市)に生まれる。各務支考、沢露川に師事。門弟に横井也有、河村秀根など。『刷毛序』『吾妻掲』『月塚雅莚』刊行。

【原文】
題雪 濃州駒ケ江
遠山や風のたよりに雪の花 可嘯
 錦のきれも残る冬の野  芝鶺
鴨の名も三色四色に遊居り 梅吟
 波も婦夫の中に立波   起外
松の月嵐にわれて影機ツ  路□
 秋の気しきの目にも耳にも 起風
如此加筆申候。其子細ハ此度
月雪ノ表ニ延善と申ハ
無之候。此事御尋可被成候。
六句目同作者も無之候。
執筆も作り名入申候事、
儀式ノ会之次ニ申候。万事
宜敷御申伝可有候。
        蓮二(花押)
巴静様

【訳文】
題雪 濃州駒ケ江
遠山や風のたよりに雪の花 可嘯
 錦のきれも残る冬の野  芝鶺
鴨の名も三色四色に遊居り 梅吟
 波も婦夫の中に立波   起外
松の月嵐にわれて影機ツ  路□
 秋の気しきの目にも耳にも 起風
このように加筆しました。そのわけは、今度の
月雪の表に延善と申す人はおりません。
この事をお尋ねなさってください。
六句目の作者もおりません。
執筆も作り、名を入れますことは、
儀式の会のついでに申します。
万事よろしくお伝えください。
        蓮二(花押)
巴静様