乃木静子
Nogi Shizuko

 乃木静子 1
 乃木静子 2 乃木静子 1 乃木静子 2
 乃木静子 2
作家名
乃木静子のぎ しずこ
作品名
乃木勝典宛書簡
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 合箱
  本紙寸法76.7 ×18.2
全体寸法(胴幅)94.7×139.5㎝
註釈

乃木勝典
明治12年(1879)~明治37年(1904)

乃木希典、静子の長男。陸軍歩兵中尉。日露戦争に第二軍歩兵第1連隊第9中隊第1小隊長として出征。南山の戦いで戦死。

(書状)
当地のこやしでもち米があり、壱斗
五升いわゐヲ別ニ五升あわ弐升
つき、従卒が五升斗りくれ三升近く
ありました ○○
過ル十日のはがき早々相届き
有難、送り物届き、安心致し
つまらぬ物およろこびヒ下、お恥かし
く、大きのナラ半分でもおいしく
候へども有合でおそまつ。当地
ニはおいしさかながいろいろ御座候
得ども汽車がきかぬで誠ニ
残念に存仕候 垣じやどこナラ
ふねの便も御座候へども、私が十一月頃
より常床で何も思ふ斗り叶
不申、若御物も今日今日が用事ニ
おわれ何も心ニまかせず
遣ざらし御送りの御よふ
す有難、私ハもちハ少しもた
べる事出きず、おそれおそれニ
ナニ少々たべてもすぐ頭が
なん儀故、昨年の寒ざらし
私が壱人で持切いたしたべ升
まだそれ故沢山ニ御座候ゆへ
目方の重く物ゆへ、もし送りて
下さい。待て居升 三月頃で
よろしく、いそぎません 遣ざらし
の送り賃ハ私が出し升
御まえさまの御深切が御なつ
かしくいつかの送り賃もまだ
上げませんから跡から一所にして
送り升 此頃ハさむいから何
事も御ゆるし下さい。私しや
夜もひるも床からはなれる
とすぐ、おなかがいたミて何
も出来不申、朝夕の御佛前の
御礼さへ時々ぬけます。
不取(敢) 佐伯えも柴田えも手帋
さし上度も思ふ斗り御無
事申上候次第。佐伯様えお金延引
の御礼もあり、此間おはがき
届き、あり難山々、よろしく御申
てヒ下御頼み申升 其内時候
御用心なされ、先ハ遣ざらし
の御願迄 あらあらかしく
  一月廿三日
 申上度事山々御座候へ
 ども又少しぬくい日ニ申上候

封筒
(表)東京赤坂新坂町
(裏)相州にて 乃木静