広瀬淡窓 広瀬旭窓
Hirose Tansou,Hirose Kyokusou
- 作家名
- 広瀬淡窓 広瀬旭窓 ひろせ たんそう、きょくそう
- 作品名
- 詩書(双幅)
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 合箱
本紙寸法29.5×108.5㎝
全体寸法51×188.5㎝ - 註釈
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【釈文】
風露清礼袖倚欄心未醒朝雲
多変態失却数峯青 建【読み下し】
風露、礼袖(れいしゅう)に清し
欄に倚(よ)りて心未だ醒めず
朝雲、多く態を変ず
失却せる数峯(すうほう)青し【大意】
礼服の袖を朝の風が揺らし、夜露が潤して清らかにしてくれた。ところが、私の心はまだ昨夜の酔いから醒めておらず、手すりによりかかって時を過ごすだけ。空を見上げているうちに、朝の雲は風に吹かれてどんどんその形を変えていく。そうこうしているうちに、雲がその彼方に消えていった山々が朝日を照り返して、その青さを増してきた。【釈文】 舎語集軒端晨松洪紅旭春 窓静且明暎見茶烟緑 旭荘
【読み下し】 語は軒端(のきば)に集まりて舎(やど)る 晨(あさ)の松に紅(くれない)の旭(あさひ)洪(おお)いなり 春窓(しゅんそう)は静かにして且(か)つ明るし 暎(うつ)るを見れば、茶烟(さえん)緑たり
【大意】 人々が語り合う声が、軒先に集まって聞こえてきた。朝方に松を見れば、大きな太陽がかかって紅に輝いている。春の気配に満ちた窓は静かで、しかも明るい。窓の外をふと見やれば、折からの日差しに照らされて茶を沸かす煙は目にも鮮やかな緑色に染まる。なんと穏やかで清々しい春の景色であることか。