大久保利通
Okubo Toshimichi
- 作家名
- 大久保利通おおくぼ としみち
- 作品名
- 登二荒山詩書
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 象牙軸 頼潔識箱
本紙寸法59.7x137
全体寸法(胴幅)78.3x201㎝ - 註釈
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【原文】
芙蓉不及美人粧
水殿風来珠翠香
却恨含情掩秋扇
空懸明月待君王
(中国唐代の詩人王昌齢の『西宮春怨』)【原文】
行盡岩嶢幾數仞
人蹤斷處路難分
前山晴去後山雨
千態萬容脚底雲
登二荒山途上偶成 甲東【訓読】
行き尽くす 岩の嶢(たか)きこと幾数仞なるを
人蹤 断える処 路 分かち難し
前山 晴れ去って 後山 雨ふる
千態 万容 脚底の雲【訳文】
どれほどか測りがたいほどに高くそびえる岩々を行き尽くす
人の足跡が途切れるあたりでは、どこが道でどこが道でないのか見分けがつかない
見れば前方の山では晴れ上がっているのに、後ろの山では雨が降っていて
足もとの雲は幾千幾万もの様々な姿かたちを見せている※二荒山(ふたらさん)…栃木県北西部にある男体山(なんたいさん)の古名。山自体がご神体で、山頂には日光二荒山神社の奥宮がある。