牧野義雄 Makino Yoshio
明治2年(1968)～昭和31年(1956)
明治の中頃、単身渡米後、英国に渡り、ロンドンの美術学校で苦学し画家を目指した若き日本人がいた。彼はのちに、霧のロンドンを詩情豊に描き「霧のMAKINO」と呼ばれようになる。
三河西加茂郡挙母（現・豊田市）に藩士の子として生まれる。明治25年(1892)、名古屋英和学校を卒業。翌26年、渡米し、サンフランシスコにあるポップキンズ美術学校に学ぶ。ヨネ・ノグチ（野口米次郎）と知り合う。明治30年（1897）、パリを経てロンドンに渡る。翌31年、コールドスミス美術学校、その2年後にはロンドン中央美術学校に学ぶ。明治37年（1904）、原撫松を知り感銘を受け、行き詰まっていた制作活動に意欲を燃やす。明治40年（1907）、『カラー・オブ・ロンドン』を刊行。原画をクリフォード画廊で展示し、その名を知られる。アレクサンドラ女王に特装本が献呈される。翌年『カラー・オブ・パリ』、『カラー・オブ・ローマ』を出版。明治43年（1910）、自らの苦闘の前半生を描いた『A Japanese Artist in London 』（霧のロンドン・日本人画工倫敦日記、恒松郁生訳、サイマル出版会）を出版、ベスト・セラーとなる。この当時のロンドンの日本人画家として最も知られた存在になる。昭和17年（1942）、戦争により引き揚げ船にて帰国。昭和24年(1949)頃より制作を再開。昭和31年（1956）、自伝『あさきゆめみし』出版。同年、鎌倉にて逝去。享年86歳。平成20年(2008)、牧野義雄展(豊田市美術館)開催される。
幼春の朝霞 Hyde Park
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