先に開催した『山崎弁栄展・宗教の彼方、新たなる地平』(平成22年10月30日~11月14)は、知られざる宗教思想家山崎弁栄の全体像に迫ろうとする試みであり、それは同時に、本来あるべき姿から、大きく逸脱してしまった現在の宗教の有り様を、月明かりのもと浮き彫りにすることでもありました。「山崎弁栄展その後」は、それに続く試みではありますが、ここでは、山崎弁栄をさらに読み解くことが目的ではありません。ここにあるべきは、各々私たちであります。
ここ(空間)に於いては、山崎弁栄の描いた阿弥陀仏が一点存在するのみです。
そして、そこに踏み入った私たちの身体も、そこにある空間表現の一部です。
道元の正法眼蔵に、《智よく智につたはれ、智すなはち智をたづぬるなり》、或いは、《感応道交するところに、發菩提心するなり》とあります。この一点の阿弥陀仏の正面に座して、その彼方にある何かと呼応する。言葉も捨て、私という意識も捨て、唯一、この一点の阿弥陀仏を通じて、その彼方にある何かと呼応し、シンクロする。深い山並みのなかで、反響する木霊(こだま)のように…、そして、山崎弁栄の描いた阿弥陀仏も、その深い山並みのなかに霧消する…。
一日中座していただいてもかまいません。 各々がこの空間に座して、こころを凝らしくだされば、それで結構でございます。
※『山崎弁栄展・宗教の彼方、新たなる地平』の全容は、展覧会図録(2.500円)で詳しく紹介しております。
この展覧会図録は、長良川画廊でお求め頂けます。
お茶を頂きながら、言葉が自由に行き交う、楽しい語らいの会にしたいと思います。
事前のお申込は不要でございます。みなさまお誘いいただき、お気軽にご参加ください。