中林竹洞 丹羽盤桓子
Nakabayashi Chikutou,Nwa Bankanshi

中林竹洞 丹羽盤桓子 1
中林竹洞 丹羽盤桓子 2
中林竹洞 丹羽盤桓子 3
中林竹洞 丹羽盤桓子 4
作家名
中林竹洞 丹羽盤桓子 なかばやし ちくとう、にわ ばんかんし
作品名
富士図
作品詳細
掛け軸 絹本水墨 緞子裂 合箱
本紙寸法55.6×32.5cm
全体寸法66×119.5cm
註釈

奈麻余美乃甲斐之国打縁流
駿河能国興己知其智乃国之三中
従出立有不盡能高嶺者天雲毛
伊去波伐加利飛鳥母翔毛不上燎火
乎雪以滅落雪乎火用消通都言不
得名不知霊母座神香聞石花海跡
名付而有毛彼山之堤有海不盡河跡
人乃渡毛其山之水之當焉日本之山
跡国乃鎮十万座神可聞寶十万成
有山可聞駿河有不盡能高峯者雖
見不飽香聞 不盡嶺尓零置雪者
六月十五日消者其夜布里家利

勗書

なまよみの甲斐の国、うち寄する駿河の国と、こちごちの国のみ中ゆ、出で立てる、富士の高嶺は、天雲も、い行きはばかり、飛ぶ鳥も飛びも上らず、燃ゆる火を雪もち消ち、降る雪を火もち消ちつつ、言ひも得ず、名付けも知らず、くすしくも、います神かも、せの海と名付けてあるも、その山のつつめる海ぞ、富士川と人の渡るも、その山の水のたぎちぞ、日の本の大和の国の鎮めとも、います神かも、宝ともなれる山かも、駿河なる富士の高嶺は見れど飽かぬかも
富士の嶺に降り置く雪は、六月の十五日に消ぬればその夜降りけり

(万葉集・詠不尽山歌一首并短歌・山部赤人)