乃木希典
Nogi Maresuke

 乃木希典 1
 乃木希典 2 乃木希典 3
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 乃木希典 9
 乃木希典 10
作家名
乃木希典のぎ まれすけ
作品名
詩書 爾霊山
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 金襴緞子裂 象牙軸 伊豆凡夫並びに一戸兵衛箱 台差し二重箱
  本紙寸法50.5 ×133.2
全体寸法(胴幅)65.6×219㎝
註釈

伊豆凡夫
元治元年(1864)~昭和19年(1944)

筑前(現在の福岡県の属する)富士原に生まれる。号、蘿山。陸軍少将。陸軍士官学校卒業後、日清戦争に大山巌の副官として参加。日露戦争では乃木希典に従い第一師団参謀中佐を務める。帝国飛行協会理事、富国徴兵保険会社創設者。

一戸兵衛
安政2年(1855)~昭和6年(1931)

弘前藩士一戸範貞の長男として生まれる。陸軍大将。旅順攻略戦で勇名を馳せる。退役後、学習院院長、明治神宮宮司、帝国在郷軍人会長を務める。乃木希典の信頼厚い部下であった。

爾霊山険豈難攀
男子功名期克艱
鐵血覆山山形改
萬人齊仰爾霊山

 

爾霊山は嶮(けん)なれども豈(あに)攀(よ)じ難(がた)からんや
男子功名克艱(こっかん)を期す
鐵血山を覆って山形(やまがた)改まる
萬人齊(ひと)しく仰ぐ爾霊山 ※爾霊山は、旅順の二〇三高地のこと。

二〇三高地はいかに険しくとも、どうして攀じ登れないことがあろう。男子、功名のために艱難辛苦に打ち克つ覚悟を期した。砲弾の鉄片と将兵の尊い血が山を覆い、山の形も変わってしまった。今静かに仰ぎ祈るのは、まさしく爾(汝)の霊の山。