熊谷守一
Kumagai Morikazu

熊谷守一 1
熊谷守一 2
熊谷守一 3
作家名
熊谷守一くまがい もりかず
作品名
離々原上草
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 合箱
本紙寸法11×13.7cm
全体寸法30×127.5cm
註釈

離々原上草 離離たり原上の草
一歳一枯栄 一歳に一たび枯栄す
野火焼不尽 野火焼けども尽きず
春風吹又生 春風吹いて又生ず
遠芳侵古道 遠芳古道を侵し
晴翠接荒城 晴翠荒城に接す
又送王孫去 又王孫の去るを送れば
萋萋滿別情 萋萋(せいせい)として 別情滿つ

(白居易「唐詩三百首」)

生い茂る野原の草、一年に一度、枯れてはまた生える。野火で焼かれても根は絶えず、春風の吹く頃にはまた生える。草の香りは古道を満たし、青々とした草は、荒れはてた城壁に連なる。また王者の子孫が旅立つのを送れば、草の茂みに別れの情が満ちる。