松平定信(楽翁)
Matsudaira Sadanobu(Rakuou)
- 作家名
- 松平定信(楽翁) まつだいら さだのぶ(らくおう)
- 作品名
- 九思歌
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 小笹喜三箱
本紙寸法29.4×27.6
全体寸法40.4(胴幅)×121.2㎝ - 註釈
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視思明
みるときは あきらかならむことをおもふ
雲かすみ遠ちの高峰はおほふとも まかはぬ花の色を見てまし聴思聰
きくときは さとからからむことをおもふ
心とめてきけははた織きりきりす おのかさまさま声はわかるる色思温
いろは おたやかならむことをおもふ
はけしさのあらしもたえてほのほのと 遠山まゆのかすむのとけさ貌思恭
かたちはうやうやしからんことをおもふ
雲をしのぐ姿もあらず枝たれて みさほかはらぬ千代の松原言思忠
いふときは まめやかならんことをおもふ
おもへ人言葉の花のしげき枝は この実すくなきためしある世を事思敬
ことは つつしまんことをおもふ
とことはに心の駒のつなとりて ひかずはなたで世を渡るべし疑思問
うたかひは とはむことをおもふ
くらからはますほのすすきひと本の 露も心にかけてとふべし忿思難
いかるときは なんをおもふ
よしやその追手なりとも浪風の あらくばとまれ沖の舟人見得思義
うることをみるときは ぎをおもふ
ふく風に花の香りたかくかをるとも みちなき山にふみなまよひそ古詠九思和歌 源定信
小笹喜三
長尾雨山の高弟。号、燕安居。日本文化財鑑定会会長。陽明文庫(旧近衛公爵家)前主事。桜谷文庫(木島氏)理事。京都府立総合資料館貴重書調査参与。