頼山陽 浦上春琴
Rai Sanyou, Uragami Shunkin

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作家名
頼山陽 浦上春琴 らい さんよう、うらがみ しゅんきん
作品名
山陽春琴二先生遺墨
作品詳細
掛け軸 絹本水墨 緞子裂 象牙軸 頼潔箱 二重箱
本紙寸法32.6×113㎝
全体寸法53.6×192㎝
註釈

頼潔
頼支峰の第一子、山陽の孫。漢学者。

頼山陽詩書

【原文】
為画狂痴為研顚
索奇西海已周年
帰嚢有物誇妻子
一片雲膄半幅煙

【訓読】
画(え)のために狂痴となり、研(すずり)のためには顚となる。
奇を西海に索(もと)めて已(すで)に周年。
帰嚢、物ありて妻子に誇る。
一片の雲膄(や)せて、半幅の煙。

【語釈】
狂痴―常軌を逸する。またその人。
顚―常軌を逸する。まよう。うろたえる。
周年―まる一年。
帰嚢―
膄―痩に同じ。
一片雲膄半幅煙―雲煙(筆勢の強いさま。転じて書画)を含意するか。

【訳文】
私は名画を手に入れるためには狂人ともなり、名硯のためには瘋癲ともなる。
珍しい奇物をこの九州に捜し求めて既に一年がたった。
帰りの袋には、妻子に誇ることができるものがある。
ほんのわずかばかりの名画と名硯が入っている。

【鑑賞】
題は「此遊得明盛茂燁山水及端渓古研賦此志喜」というもので、文政元年(1818)に広島において父春水の三回忌を行い、そのまま九州各地を旅行したおりに明代絵画と端渓古硯を入手した喜びを詠んだものである。

【箱書】 「山陽先生西遊獲明盛茂燁山水及端渓古研志喜七絶。春琹先
生画山水、好事家合以為、雙幅々皆真跡也。頃日観先生書
不少而往々贋手。今観此幅、胸宇爽然、恰如驟雨
一過、清涼入軒快甚矣。丙午盛夏、頼潔拝題」
丙午―明治39年(1909)。