仙厓
Sengai
- 作家名
- 仙厓せんがい
- 作品名
- 席田山(むしろだやま)の玉拾い二首
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 合箱
作品寸法33.6×22.4㎝
全体寸法48.4×97.3㎝ - 註釈
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《解読》
満ちあふる宝の山の近ければ居ながら玉を拾ふ
何の代の神のまします志とね哉席田山に玉拾ひけれ
右席田の玉拾ひ「席田山の玉拾い」は、仙厓が聖福寺住持となってから没するまでの和歌約二百首を撰集した歌集『すて小舟』に一首集録されていますが、この作品の『何の代の神のまします志とね哉席田山に玉拾ひけれ』とは、上の5字に異同があり、『千早降る神のましますしとね哉席田山に玉拾ひけれ』となっています。この異同について興味深いのは、幻住庵所蔵の書き入れ修正の施された『すて小舟』自筆草稿三十二紙十六丁双幅の「席田山の玉拾い」の上の5字に修正があることが、『禅の世界と仙杜展・昭和61年』の図録より認められることです。残念ながら、幻住庵にその修正部分についての詳細を問い合わせたところ、「忙しいので確認できません」という御返事で、いつか仙杜展に出品された時まで、修正前の上の5字が何であったかは定かにできませんが、ともかく、この「席田山の玉拾い二首」と『すて小舟』収録の「席田山の玉拾い」とが、仙杜の詩作のなかで繋がっていたことが推測でき、資料的にも面白い作品です。尚、「席田山の玉拾い」とは、日本三大八幡宮の一つ福岡の筥崎宮で毎年1月3日に行われる玉取祭(氏子達が集団で玉を競(せ)って一年間の吉凶を占う)のことだと思われます。