仙厓
Sengai
- 作家名
- 仙厓せんがい
- 作品名
- 大黒天 Daikokuten
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 象牙軸 合箱
本紙寸法26.7×92.3cm
全体寸法43.8×167.2㎝ - 註釈
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【原文】
扶桑最初禅窟厓陳人画并題(印)
大黒闇中明
此珠人不眄
秦王十五城
龍女三千界【訓読】
大黒は闇中の明なり。 此の珠(たま)、人は眄(かえ)りみず。
秦王の十五の城、 龍女の三千世界。【訳文】
大黒は暗闇の中の明かりである。
しかし、世間の人は此の珠(大黒のこと)の価値を知って正当に評価することはない。
秦の昭王は、卞和の玉の価値を見抜いて十五城の値をつけた。
龍女は成仏の法を聞くために、釈迦に三千大千世界に値する宝珠を献じた。【注釈】
扶桑最初禅窟…日本の最初の禅寺の意味で、仙厓が長らく住持を務めた博多の聖福寺のこと。大黒…「如意宝珠」(願いをすべてかなえてくれる珠)を財布から振りまく幸運の神。
秦王…戦国時代に趙の恵王が卞和の玉を得て、秦の昭王が十五の城と交換しようとしたので、「連城の璧」と呼ばれた(『史記』廉頗伝)
龍女…いかんぞ、女身速やかに成仏することを得ん。その時に龍女一の宝珠あり、価直三千大千世界なり。もって仏にたてまつる。(『法華経』提婆達多品)