富岡鉄斎
Tomioka Tessai
- 作家名
- 富岡鉄斎 とみおか てっさい
- 作品名
- 虚心抱節図
- 作品詳細
- 掛け軸 紙本水墨 緞子裂 共箱
本紙寸法47.2×153.7㎝
全体寸法68.1×215cm - 註釈
【釈文】
画竹写个還添介
濡毫落墨十余回
此竹雖奔一龍値
清風楽有襲人来
庚子七月露自夜白々
鉄斎外史【読み下し】
竹を画くには个を写し、還(ま)た介を添ふ
毫を濡らし墨を落とすこと十余回
此は竹と雖(いえど)も奔(はし)りて一龍に値す
清風に楽しみ有りて人を襲ひ来たらんか
庚子七月、露は夜自(よ)り白々(はくはく)たり。
鉄斎外史【大意】 竹を描こうとするならば、まず「个」の字の形を描き、それに「介」の字を添える。筆の穂先を墨で濡らして、紙の上に描くこと十数回で完成するのである。私の描いたこの竹は、単なる竹ではなく、その走るような勢いたるや空を飛ぶ龍にも匹敵するだろう。清らかな風を楽しみながらざわざわと揺れる姿は、まるで人を襲いに来たかのような迫力だ。
明治33年(1900)、64歳の作品。箱書きは大正8年(1919)に再鑑したときのもの。