【釈文】
鄭太師小子侯父作寶甗子孫永寶
鄭太師小子侯父作寶甗子孫永寶書於銀水楼 梧竹
【大意】
鄭太師小子侯父が寶甗を作った。子孫に至るまで永く宝とせよ。銀水楼において書す。
※甗は祭祀儀礼用の器。長鋒柔毫を駆使したと思われる、梧竹ならではの奔放な筆致による西周晩期の青銅器銘文の臨書で60から70歳代の作か。なお実際の銘文には「寳」の後「用」の字があるが、当時梧竹が見た拓本あるいはその摸本に最後の一字が見られなかったのか、書かなかったのかは不明。
本紙、多少ヨゴレ、小折れあり。