藤井斉
明治37年(1904)~昭和7年(1932)
長崎県平戸に生れる。幼少期、父が炭鉱業で失敗し、祖父、次いで親族の山口半六に引き取られる。山口は孫文の革命運動に協力した人物で、藤井は大きな影響を受ける。佐賀中学を卒業後、海軍兵学校に進学。在学中、同期生の小手川勝彦と大アジア主義を主張。大川周明、安岡正篤と知遇を得る。大正14年(1925)、海軍兵学校を卒業。昭和3年(1928)、海軍中尉。同年、急進的な海軍士官を組織して国家改造をめざす王師会を結成。この頃、井上日召を知り深く共鳴。昭和6年(1931)、海軍大尉に昇進。井上日召、四元義隆らと行動を共にする直前(血盟団事件)、上海事変に出征し、空母「加賀」攻撃隊の第二小隊長として戦闘機搭乗中、上海上空で撃墜され戦死する。
拝啓
蒼天秋風之候貴兄如何御座候也
僕無事十二月一日より同十九日迄
霞ヶ浦に飛行練習同三十日より三週目
休に御座候貴兄との御面談待居申上候
貴兄の事は西田税君が専念祈望日本
改造之大極にらむと申居候事に御座候
先は要用向上
敬具
斉
美品。