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近世文学
J-274 北村季吟

J-274 北村季吟Kitamura Kigin

北村季吟 1
北村季吟 2
北村季吟 2北村季吟 2北村季吟 2
北村季吟 2
作家名
J-274 北村季吟きたむら きぎん
作品名
藤田友閑宛書状
価格
180,000円(税込)
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 泉本直忠識箱
本紙寸法36.3×25.3
全体寸法(胴幅)38.6×104㎝
作家略歴

北村季吟
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藤田友閑
生没不詳。寛永(1624-1644)ころに活躍。摂州(大阪府)富田の人。通称は一郎兵衛、または善兵衛。初め栄閑と号し、つぎに幽閑、友閑と改め、晩年には彩雲翁と号した。松花堂昭乗の門人。和歌や画に秀で、書は松花堂流の第一の名手といわれ、門人は千人を越えたという。著書に『和国筆道三秘略鈔』。

コンディション他

【原文】
其已来疎遠奉存候。
御無事ニ御坐被成候
哉。些御見廻申上度奉存候
得共、何角仕無其儀、無
沙汰、心外奉存候。然者、
矢嶋三右衛門殿へ之御句ニ、
 あは雪をかゝけてミるやいよ簾
との心ニ、
 さぬき円坐に庭の寒月
と御わき付候へは、此第三、貴老様
被遊被下候やうニ申上くれ候へと、
被仰候。先日被仰下候へ共、
何角御延引仕、及于今申上候。
はつかしなから、被遊可被遣候。
名月之御句歌、可有御進候。
ちと承度奉存候。愚作別帋ニ
かきしを申候。此雲門努かましく候へ共、
任御承意申候。恐惶謹言。
二十四日。
    彩雲翁様進呈 拾穂

【訳文】
それ以来、御無沙汰しております。
御無事にお過ごしでいらっしゃいましょうか。
ちょっとお見舞い申し上げたいと存じましたが、
なにかと所用あって実現せず、御無沙汰いたしましたのは心外のことであります。
さて、矢嶋三右衛門殿の連歌の発句に、
 あは雪をかゝけてミるやいよ簾
とありましたので、
 さぬき円坐に庭の寒月
と御脇の句を付け申し上げました。
この第三の句を、あなた様にお付けくださるよう、申し上げてほしいとの仰せです。
先日に仰せ下されましたが、なにかと延引してしまい、今に及んでしまいました。
恥ずかしながら、よろしくお願い申し上げます。
名月の御句の歌をお見せくださいませ。ちょっと承りたく存じます。
愚作は別紙に書いておきました。この手紙は押し付けがましく存じますが、
よろしく御承知おき、お願い申し上げます。恐惶謹言。
二十四日。
    彩雲翁様進呈 拾穂