泉鏡花
明治6年(1873)~昭和14年(1939)
金沢下新町23番地に泉家長男として生まれる。本名、鏡太郎。父清次は彫金、象嵌細工師。本名、鏡太郎。9歳の時、母を失う。明治23年(1890)、尾崎紅葉の作品を読み、小説家を志し上京。翌年より尾崎紅葉に入門し、玄関番として住み込む。明治28年(1895)、夜行巡査」「外科室」を発表し、新進作家としての地歩を確立。神秘的で華麗な文体と巧緻を尽くした作風は、川端康成、石川淳、三島由紀夫らに大きな影響を与えた。平成11年(1999)、金沢市の生家跡に泉鏡花記念館開館する。代表作に、「照葉狂言」「高野聖」「婦系図」「歌行燈」「ゆかりのをんな櫛笥集」など。昭和14年(1939)、没年に発表した「縷紅新草」は、後年、三島由紀夫は、「神仙の域に達している」と評した。
闇には迷ひ月見ては悟るもよかろ然りながら 私やおぼろ夜何としやう結ぼれとけぬ柳髪 鏡花
本紙、表具とも折れ多々あり。