【原文】
如仰今朝者申承
本望存候 梅花一枝御使ニ参候
掛物之事ハ懸御目候節 可申入候 恐惶
十二月十七日 重然(花押)
【訳文】
仰っていたように今朝お話を伺い、満足に存じました。
梅の花を一枝御使者に差し上げました。
掛物の件は、お目にかかりました折にお話いたします。
※書状の日付12月17日は年内立春(陰暦で新年を迎えないうちに立春が来ること)である。「梅花一枝御使ニ参候」は、三国時代呉の陸凱が長安にいた友人に梅を贈ったという有名な故事(「荊州記」)を背景にした転用であろう。