【原文】
残月嵌雲影半明
満園風露峭涼生
碧花紅蘂秋如錦
人在黄荃画裏行
星巌生逸
(黄葉山房別集)
【訓読】
残月雲に嵌(かん)して影半ば明かりなり
満園風露峭涼(せいりやく)生ず
碧花紅蘂秋錦(ずねあきにしき)の如し
人は黄荃画裏(こうせんがり)に在りて行く
【大意】
残月が雲にまりこんで居るが、その光はほんのりと明るい。
満園の風露、ひんやりとして涼しい。
路傍の草花の美しさ。
人は、黄荃の描いた画の中を行くようである。
碧花紅蘂‥碧き花、紅の蘂。露草や蓼の如きいろいろの秋の草花
黄筌‥宋代の画家。写生画家として右にでるものなしと称された。
まずまず美品です。