【翻刻文】
誰道求閑不得閑
纔離城市即漁灣
松篁缺處茅樓出
也有幽人坐看山
【読み下し文】
誰か道ふ閑(閒)を求めて閑(閒)を得ず。纔かに城市を離るれば即ち漁灣。松篁缺く處茅樓出づ。也幽人の坐して山を看る有り。
【現代語訳】
閑暇を求めて閑暇を得られないと誰が言うか。僅かに城市を離れると即ち漁人の入江である。(轉結)松樹や竹叢の欠けている處に茅ぶきの二階建の家が出ている。また座して山を看ている世捨人がある。
※星巌全集では、閑は、閒と表記されている。
本紙、裂とも僅かにシミあり。