佐久間象山
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【原文】
此間中ハ北海の御魚、沢山ニ送り給
辱く、早速調味候処、又格別之風味、
ニて、家内一同大慶至極ニ候。然ハ今朝の
心富士之詩を認め候。余ハ在面謝。
元旦
芙蓉三万六千丈
突兀上向青霄開
□方合雲被天下
不道有龍行雨来
【訳文】
このあいだは北海のお魚を沢山お送りくださいまして、
かたじけなく、早速調理しましたところ、また格別の風味で、
家内一同大慶至極でございます。さて、今朝の気持ちを
富士の詩として詠みました。あとはお目にかかった時に。
元旦
芙蓉三万六千丈 芙蓉の富士山は三万六千丈の高さ
突兀上向青霄開 突兀と上にそびえて青空を切り開く
□方合雲被天下 □がまさに雲と合体して天下を覆いつくす
不道有龍行雨来 龍が飛び雨をもらたすことは言うまでもない。
※□は「雨+田+月」で雨の様子を表す漢字。