積善院尊雅
生没年未詳。室町末期から桃山時代の人。
参照 慶應義塾ミュージアム・コモンズ(センチュリー赤尾コレクション)
【原文】
詠二首和歌
尊雅
夏月易明
秋をさへなかしとさらに
おもはぬをいかにあけ行
みしかか夜の月
羇中送日
ふるさとのせめては伝(たより)を
まつかせやほとふる旅は
夢もまれ也
【訳文】
詠二首和歌 尊雅
夏月易明(夏の月は明けやすし)
秋の夜長といっても特に長いとは思わないのに
どうしてこんなに早く月を残して明けてゆく夏の夜なのか
羇中送日(旅の途中で日を送る)
故郷からせめて手紙でもと松風に吹かれて待っているよ。
長い旅では、もはや夢を見るのも稀になったよ。