日本人の持つ美意識の結晶ともいうべき掛け軸。日本人の創造した優れた美術の多くは、掛け軸という表現様式に託され、さらにその輝きをまして、今を生きる私たちに感動と喜びを与えてくれます。また、それは、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知ることでもあります。長良川画廊は、近世、近代書画専門の画廊として、日本の貴重な文化遺産である掛け軸を中心に、選りすぐりの作品をご紹介をするとともに、鑑定、評価、買い取りなどのご相談にもお答えしております。

《わたしたちが失いつつあるもの》

日本人に受け継がれてきた『学びのこころ』

日本に最初の中央集権国家が生まれる飛鳥・奈良時代以降、外来文化である仏教と儒教は、日本の学問の中心となり、日本人の精神的規範となって日本の文化に深く浸透していきます。また、一方には、遙か神々の時代より、自然の営みに寄り添い、自然に溶け込んで生きる、日本人固有の自然観、死生観があります。日本の豊かで多彩な優れた文芸はそうした歴史的背景、精神風土の下で育まれてきました。また、そこには、学芸を尊び、「学びのこころ」を大切にした古き日本人の姿があります。

『学びのこころ』にふれる今月の一点

比類なき国士
児玉誉士夫

児玉誉士夫 1

信義重萬山

 児玉誉士夫は書を、勝海舟の門人で高士の書家と誉れ高い宮島詠士から学んだ。宮島詠士は海軍の特務(児玉機関)を担って中国に渡る彼に対し、次のように言った。
 「支那は大国であり、漢民族は大なる民族である。かりそめにもかの民族を軽んじるな、そしてどのような仕事をする場合にも、支那人をたった一人でも殺してはならぬ。この心がけを失ったら東亜のことは空に帰するであろう。」
 彼は師の言葉を忠実に守り、彼の部下からも、誰一人戦犯として有罪になる者は出なかった。
 児玉誉士夫を単に昭和のフィクサー、右翼の巨魁とレッテルを貼るのは間違いである。児玉誉士夫は優れた歴史観の持ち主であった。そして、比類なき国士であった。そうでなければ、貧困から身一つで立ち上がり、満州事変から敗戦に至る激動の歴史の真っ直中を生き抜き、最年少でA級戦犯の指名を受けても尚、彼は死なず、戦後の政財界に大きな影響力を持ち続けられるはずはない。彼は、自伝『われ、かく戦えり』のなかで、次のように言う。
 「五・一五事件は結果から見れば確かに軍閥政治を生む大きな原因の一つになっている。だが、それだからといって、この事件は当初からその手段として計画されたものではない。現れた事実とその結果のみを、歴史という一本の糸につなぎ合わせるとするなら、満州事変以後のあらゆる出来事は悉く軍国主義的侵略の裏付ということになる。だがそれは、その時代々々における国内の情勢と雰囲気を無視した見方であって、その時代の雰囲気をほんとうに知ることができたならば、血盟団事件にせよ、五・一五事件にせよ、あくまでもそれは日本自体の革新を目的としてなされ、行われたことが明らかにされるはずである。」
 彼のこの言葉は、時代の渦に身を投じて生きた者だけが知る真実の言葉であり、真実の歴史の姿である。

作品詳細へ »

長良川工房

長良川工房

掛軸・屏風・和額などの表装、修復、染み抜きなどを専門とする表装工房。
長良川画廊直営。

長良川工房
岐阜市泉町16
山本ビル3階

山崎弁栄記念館

山崎弁栄記念館

山崎弁栄記念館
岐阜市泉町16
山本ビル1階

久松記念館

久松記念館

久松記念館
岐阜市
長良福光228-2

久松真一作品鑑定のお知らせ

八白庵

八白庵

蔵ギャラリー
八白庵

岐阜市八代
11-10

抱石の会

抱石の会について

↓項目をクリックしてください。

長良川通信購読申込
新掲載品をいち早くメールでお知らせ
獅子門美濃派俳句資料館
松尾芭蕉の弟子各務支考から始まる俳句結社「美濃派」資料館
雛特集
雛特集
東海の遺墨集
岐阜・愛知・三重ゆかりの画家、先賢の遺墨作品集
特集 久松真一
久松真一の掛け軸、短冊 ご紹介

» 今までの特集はこちらから

寄稿文集『ふるさとに思う』
ふるさと岐阜への思い
長良川画廊企画展の歩み
今までの企画展紹介 『郷土の先人遺墨展』 他
美術館マンスリー
店主の美術館鑑賞記
店主のブログ『知と愛』
日本の古き文化、日本人の古きこころをエッセンスとして、わたしたちの今、此処(ここ)を綴る

掛け軸、屏風、日本画、洋画などの鑑定と買い取りについて

長良川画廊は、掛け軸、屏風、日本画、洋画などを専門に取り扱う美術商として、芸術家、文学者、思想家、宗教家、学者、政治家など、あらゆる書画の鑑定(無料)と買い取りをいたします。また、日本人作家のみならず、中国人作家、韓国人作家の鑑定(無料)と買い取りもいたしますので、掛け軸、屏風、日本画、洋画などの鑑定と売却は、お気軽に、書画専門、長良川画廊にご相談ください。

TOPへ