日本人の持つ美意識の結晶ともいうべき掛け軸。日本人の創造した優れた美術の多くは、掛け軸という表現様式に託され、さらにその輝きをまして、今を生きる私たちに感動と喜びを与えてくれます。また、それは、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知ることでもあります。長良川画廊は、近世、近代書画専門の画廊として、日本の貴重な文化遺産である掛け軸を中心に、選りすぐりの作品をご紹介をするとともに、鑑定、評価、買い取りなどのご相談にもお答えしております。

《わたしたちが失いつつあるもの》

日本人に受け継がれてきた『学びのこころ』

日本に最初の中央集権国家が生まれる飛鳥・奈良時代以降、外来文化である仏教と儒教は、日本の学問の中心となり、日本人の精神的規範となって日本の文化に深く浸透していきます。また、一方には、遙か神々の時代より、自然の営みに寄り添い、自然に溶け込んで生きる、日本人固有の自然観、死生観があります。日本の豊かで多彩な優れた文芸はそうした歴史的背景、精神風土の下で育まれてきました。また、そこには、学芸を尊び、「学びのこころ」を大切にした古き日本人の姿があります。

『学びのこころ』にふれる今月の一点

大川周明

 大川周明

詩書

 大川周明のアジア主義が、アジアの自立と覚醒を願うものであっても、「大東亜戦争」の精神的指導者として一定の役割を果たしたことを否定することはできないであろう。しかし、その結果として、極東国際軍事裁判において、民間人としてただ一人、A級戦犯として訴追されたことが、彼の生涯を象徴していると考えることは大きな間違いである。あるいは、近代以降、第二次世界大戦終結までの日本のファシズムの一類型に彼をはめ込もうとすれば、その本当の姿はより遠く見えなくなるだけである。
 大川周明の学者としての第一級の成果は、昭和17年に発表された『回教概論』と昭和25年に発表された『古蘭』に現れる。大川周明は、後に井筒俊彦の登場を待つまで、イスラム研究の泰斗であり道標であった。しかし、彼は元より学者ではなかった。彼は、清沢満之や内村鑑三と同じように、人生の究極に悩み、自己の問題に切迫し、その解決と救いを宗教に求めた。ただ彼らのように、宗教に生きることが、同時に現実の世界を主体的に生きるということではなく、むしろその逆で、司馬遼太郎が井筒俊彦との対談のなかで、《大川周明というのは日本的右翼というよりも、十九世紀のドイツ・ローマン派の日本的なあらわれの人だったのかもしれない》(二十世紀末の闇と光)と語ったように、あるいは、河上徹太郎が《明治の大ロマンチスト》(日本のアウトサイダー)と岡倉天心を語ったことと同じように、「アジア主義」の理想を謳歌することが、歴史に身を投じることであり、宗教的に生きるということであった。大川周明の真価は、宗教的確信によって、その時代が課した使命を一心に生きたなかにある。

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講演会のご案内
『頼山陽と江馬細香 - ゆかりの美濃の文人たち -』
講師 湯谷祐三(愛知県立大学非常勤講師)

開催日時 平成30年1月4日(木) 10時~12時

会場 ぎふメディアコスモス あつまるスタジオ

入場無料(予約制、定員25名)

お申し込みは長良川画廊まで

6回連続講演 第2回 山崎弁栄「人生の帰趣」を読む。 »
講師 若松英輔(批評家)

開催日時 平成29年12月17日(日) 17時~19時

会場 ぎふメディアコスモス かんがえるスタジオ

参加費 2,000円 (予約制、定員100名) 学生および未成年者無料

お申し込みは長良川画廊まで

長良川工房

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掛軸・屏風・和額などの表装、修復、染み抜きなどを専門とする表装工房。
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岐阜・愛知・三重ゆかりの画家、先賢の遺墨作品集
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久松真一の掛け軸、短冊 ご紹介

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