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S-027 田中正造

S-027 田中正造Tanaka Shouzou

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 田中正造 9
作家名
S-027 田中正造たなか しょうぞう
作品名
蓼沼丈吉他宛書簡
価格
580,000円(税込)
作品詳細
額装 紙本
本紙寸法202.3x17.5
全体寸法(胴幅)227x35.8。㎝
作家略歴
コンディション他

拝啓仕候。小生事一寸入獄四十日、此四十日間ハ少々なれども、社会ハ此少数時日の内に非常の変遷あり、獄より出て見れバ世上の事少しも分り不申候。但し引続き世上に居られし人々も又此四十日も五里夢中、一日片時の如く何事も為さずして経過せられて候もの多からんか。只濁浪風波のために漂わされつゝあるものゝ如し。或ハ或ハ人民の権利を売りて憐れむべき村民を道頭に無権利の者となして、此人民の斃死するをしらず、兎角国家を忘れて貧民を食料とするもの多し。甚敷ハ蓼沼丈吉も亦其一人なりとまでに世上ニ吹聴の材料となるべきものを出版し、且ツ丈吉と正造との間をも離間せるに至りたりものなり。或ハ加害者より銭金を得て候補を争わんとし、或ハ大酒呑ミの人にして砂糖会社のために賛成を得るあり、禁酒会員にして酒造会社の推選を得るあり、百怪万日実ニ何とも申すよふなし。市中の馬車馬ふん却て気焔万丈、馬ふん却て紅塵の万丈たり。之に反して人心死滅して毛も煙りの登る処を見ず。小生ハ病後中ながら兼約者あり、本日広島地方ニ赴き、止むなく下野の諸氏ニ欠礼仕候。出獄早々帰県拝走仕べくの処、右之次第ニ付御序よろしく御開き被下置度候。謹て御願旁他行御しらせまで申上候。

頓首

蓼沼君[他筆]謹而拝見仕候
津久居君[他筆]仝断
島田君
川俣君
吉澤君
高澤君
橋本君
小林君

明治35年(1902)7月29日