(皆川淇園賛文)
【原文】
茅舎暎雪霞外浮
稚松夾径翠煙稠
閑行偶見桜花発
便覚春山更自幽
平安皆川愿題
【訓読】
茅舎、雪を暎じて霞外に浮かぶ
稚松・夾径、翠煙稠(しげ)し
閑行して偶見す、桜花に発(ひら)くを
便ち覚(おぼ)ゆ、春山更に自ら幽なることを
平安皆川愿題
【訳文】
茅葺きの家に雪の光が反射してかすみの中に浮かんでいるようだ。
小さな松に狭い小径ももやにかすんでいる。
そぞろ歩いてみると、桜が開いているのを見かけたよ。
それで春の山が更に幽閑なることを感じたのさ。
平安皆川愿題
本紙、小折れあり。