木崎好尚
慶応元年(1865)~昭和19年(1944)
本名、愛吉。大阪朝日新聞社に22年間勤務。大正3年、退社後、金石文を研究、『大日本金石史』三巻により学士院賞受賞。晩年は山竹会、山陽会を主宰し、頼山陽、田能村竹田の研究に成果をあげた。著書に『頼山陽全書』八巻、『田能村竹田全書』三巻がある。
数橡茅屋倚平坡 数橡の茅屋、平坡に倚る
座領渓山楽如何 座を渓山に領むる楽しみ如何ぞ
認得東鄰人未住 認め得たり、東隣に人の未だ住まざるを
他年借與我儂麼 他年、借與、我儂麼
丁丑冬日題自画 襄
橡がまばらに生えた茅葺の小家は堤防のほとり
渓流と周囲の山々に囲まれた家に座をしめる楽しみは如何
東隣の家には誰も住んでいない
後年、私が借りて暮らすのもいいかもしれない
本紙全体に縵面(なめ)あり。